読書遍歴の始まり

中学二年の頃、元祖(でもないか)教育ママの母が私の勉強の役に立つだろうと集英社から出た世界文学全集を買った。これが思い違いもいいところ。

それまでの読書と言えば偉人の伝記ぐらいしか読んだことがなかったが小説は初めて。

何と最初に読んだのがドストエフスキーの「罪と罰」たちまちハマってしまった。勉強の為と思った母の願いとは裏腹に勉強はそっちのけになってしまった。

勉強してるふりして毎夜読書にふける。

役に立ったと勘違いした母は何と日本文学全集まで買う。益々読書狂いになってしまった。

同時にこの頃から海外の音楽にハマり、所謂ポピュラーソングファンに、エルビスプレスリーが全盛の頃。(大好きなビートルズは少し後)無理を言ってトランジスタラジオを買ってもらい。夜中深夜放送の音楽を聴きながらの読書が続く。

オールナイトニッポンはまだやってなかったが電波の安定しないラジオ大阪をラジオに耳を当てて聴くことも。

当然勉強はほとんどしない、成績は下がるがまま

買って貰った文学全集は全部読んでしまい、飽き足らず本屋通い。

中学が終わり高校に入った頃は生意気にも小説に飽きたと岩波新書漁りになってた。

高校の終わり頃には学生運動が激しくなった頃、マルクスを知り日本文学では所謂プロレタリア文学を次々と。

しかしこの頃1番人生を左右される小説を読んだのはカミューの「異邦人」

日本人では芥川龍之介夏目漱石が最高と思ってたが

野間弘の「真空地帯」と伊藤整の「若き詩人の肖像」を読んだ時は強烈な印象を受けた。 この後ほぼ読書依存性状態になり手当たり次第に読み出し次に読む本がなくなってくると落ち着かないようになってしまった。 今はその依存性状態は脱したが読んだ本の題名も内容も作者名も忘れてしまうただの暇つぶしになっている。