早月小屋泊まりから下山

過去5回の早月尾根からの剱岳は全て日帰りだった。

それでも今回は歳を考えて早月小屋に泊まる事にした。

先月は自転車でトレーニングを何回もしたので体力はそれなりに出来てると思ってた。

ところが歩き出してすぐに足の腿が悲鳴を上げてきた。

何度も止めようかと思ったけど我慢に我慢を重ね何とか登頂。

しかし下りが辛かった。

小屋に到着が遅れると知らせ予定より30分遅く小屋着。

食事時間を30分遅らせてもらってビールで疲れを癒す。

食事は食堂を閉めたので談話室で

1人で食べてると今日知り合った千葉のご夫婦が明日の飲料の準備をしてられた。

食事をしながら話を聞いたが凄いご夫婦だった。

300名山はもちろん日本百高山、各県最高峰、は全て完登。

花の100名山200名山は後残り数座だと。

それ以外に外国の山も何座か登っていると。

部屋はカーテンで仕切られていたが向かい側とは仕切無し。

寝てて何か足に触ると思ったら向かい側の人の足だった。

仕方なく足を横にずらして寝るが何度もぶつかる。そして横のイビキがうるさい。

夢見てるのか起きてるのか分からないまま朝3時。

早出の人達が動き出す。

朝食は5時半、あまり食欲は無いがご飯と味噌をかきこむ。

6時半頃下山開始。

一晩寝て足の疲れは取れたと思ったがしばらく歩き出すと両腿が痛み出す。

汗が吹き出し何度も休憩しながらの下山。

下りだからと飲料はペットボトル二本で充分と思ったが足りそうに無い。

一度に飲む量を計算しながら飲むしか無い。

やっとな歩きでようやく1500辺りまで降りた時、突然下から名前を呼ばれた。

そこにデカいリュックにテン泊装備を詰めた知人が2人。

標識を見ると1400になってる。

2人に水を余分に持って無いかと聞くと快く譲ってくれた。

まさに天の助け、こんな場所でまさかの事。

最後の標識松尾平のベンチまで何とか下り最後の急坂の手前で大休憩。

ゆっくり休み登山口まで下りる。

前回も最後と思ったが今回こそこれで最後と深くお辞儀。

登山を始めるきっかけになった剱岳

憧れだった。

そして試練の山。

これでその試練も終了。