今日は一日体調不良で保育所を休んだ孫守、まあ暇な自分の役目
と言っても特にすることもなし見守るだけの役
そんなわけで読書ができるのではと佐伯邦夫氏の「とやま山と人」持って行った。
この本は先日中島さんがわざわざ家に届けてくれた
佐伯邦夫氏がFBに投稿されてたものを一冊にまとめたものだった。
この投稿は大変興味深く愛読してた
こんな凄い話はFBだけじゃ勿体無い、本にされればいいのにと思ってたら
それが本当になった。
富山に生まれ富山の山を心底好きでそれにのめり込んだ多くの先駆者の話が詳しく書かれている。
宇部長次郎や黒部、立山、劔を案内したかつての有名な案内人の話は結構前に読んでいる
その人達以外でその案内人を雇って数々の山の登攀をした人たちの話も興味を誘う。
道なき道を歩き登った数々の山その殆どは現在登山道が整備されかつての人たちの苦労を知ること無く歩ける。
文中での佐伯氏の人柄にも好感が持てた、他人が書いてる間違いにも寛容、まあいいじゃない
か的な反応、自身がちょっと過激な発言になるとおいおいと自制の姿、何でもかんでもキメキメにしない所がなんとも良い。
それでも一つ過激と思われる新田次郎本人を目の前にしての辛辣な意見には若気の至りとは言え拍手を贈りたい。
新田次郎の山関係の小説は結構読んだがどれも個人的にはそこいらの三流小説と同じ、決してつまらないとは言わないがその程度のものと思ってる。
最近映画で話題になった「点の記剱岳」もしかり
小説だからフィクションを混ぜて書くのは一向にかまわないが、殆どの話にしつこく悪者が登場するのが一つ気に食わない。
山歩きする人間に悪者はいないと言う意見はどうかと思うがそれにしてもつまらないお決まり展開には最後辟易した。折角の山の話なのにもっと山のことを書いて貰いたい。まあ実際歩いてもない山のことをそう詳しくも書けないかもしれないが・・
剱岳の点の記ではもう一つ宇治長次郎との親交を書いているが、柴崎芳太郎のその時の日記(ネットの青空文庫で読める)には同行者に長次郎の名がない、案内人一人落伍(逃亡だったか)と書いてある。自分が推察するに最後三角点(三等)の機材を剱岳の頂上まで持ち上げるのに人夫のリーダー長次郎とどうしても三角点を設置したかった柴崎との間にその人夫の危険回避と柴崎の任務遂行の為の激しいやり取りの後、長次郎が去ったのではと思う。
その後日本山岳会の小暮理太郎が片貝南俣から劔、立山、薬師を縦走し大町に下りる記(これも青空文庫で読める)には長次郎のことは素晴らしい人間と書いて有るのを見ると柴崎との確執は一時のことだったのかもしれない。