最近読んだ本

続けて真保裕一を読んでいる
「追伸」

読み始めてあれっと思った
どこまでも手紙のやり取り
しかもお互いの自分を責めるばかりの内容
こんなのに付き合わされるのかとちょっとうんざりしかけたが
途中から手紙のやり取りの相手同士が違う二人になる
何故手紙でと思うが
最初の二人はギリシャと日本と離れてる
後の二人は
留置所の塀に切り離されている
こういう設定で最後まで手紙のやり取りだけで終わる。
これだけの構成でしっかりとした小説に仕上げる作者の技に感服
次に読んだのが
ホワイトアウト

ホワイトアウトは冬山を歩く人なら一度や二度は経験をしていると思うが
奥山の発電所ダムを舞台とするサスペンス
送水管を使って脱出をする場面では、小説は読んでないが映画を見た友人がFBでそれはありえんだろうと言ってた。彼は今も厳冬期の黒部ダムに仕事で入るプロ。プロの目から見ればそれはそうだろうと思う。
しかし成功の確率が1%もないと思えることに挑戦するフィクションがサスペンスの面白い所。
自分はこの小説で感じた一つは厳冬期の雪山で悪天候の中歩く厳しさを目に浮かぶように描写してるのは作者は間違いなく実際に経験してると思ったこと。
それとこの話、犯人と主人公、そして警察も相手が誰なのか何をしようとしてるのかも分からずお互い推測でしか動けない中必死に相手の行動を読み取ろうとするやり取りが、全てムダや矛盾なく繋がっているのがこの作者さすがと思った。
よく似た題名の東野圭吾の「白銀ジャック」を前に読んでるが比べ物にならないくらい緻密
東野圭吾の小説は読みやすいが終わり方がちゃちで何時も少々がっかりさせられる。