3日目(阿曽原〜水平道〜欅平〜宇奈月)

3日目の朝も早く目が覚めた。
それでも窓の外を見ると夜中に見えてた星が少ない。
雲が出てるようだ。
5時半に起きて出発の荷物を整える。
昨日まで履いてたズボンは汗臭くて気持ち悪いので風呂上りから履いてたハーフパンツでそのまま出かけることにした。
6時に朝食をし6時20分小屋を出る。泉さんにこの先の注意事項を聞き出発。
出る時泉さんがポカリの粉末を手渡してくれた、これがその後とても助かった。
テン場まで下りそれから水平道に出るまでの登りでもう汗をかいてしまう。
阿曽原小屋を振り返る。

登り切ったところで休憩、この間に二人の単独行の男性に先に行ってもらう。
水平で歩きやすい道をどんどん歩く時折風が吹いて涼しい。

しかし随分歩いても折尾谷が見えてこない、疲れて休みたくなったところで正面に滝が見えてきた。
ここで大休憩、滝の水でポカリの粉を溶かし後に備え、アイスコーヒーを作り行動食を腹に入れる。ここで藤沢から来た単独の男性と東京からの女性二人組が追いついてきた。仙人池から一緒なのでもう顔なじみ同士だ。
折尾大滝

ここが折尾谷かと思ったが地図を見るとまだ先だ、次の角を回るとこんどこそ折尾谷が見えてきた。
ガレ場の下に堰堤が見える、何処から谷を超えるのかなと思ってたら堰堤の中がトンネルになってた。

水平道は所々岩をくりぬいた道になってるが想像したより道幅が広いのでそう恐怖感は感じなかったが下の黒部川を見ると高度感が凄い。

よくこんな場所に道を作ったものだ。
次第に岩壁が多くなり岩をコの字に削った道が多くなってくる、水平道の核心部、大太鼓だ。

対岸に奥鐘山が堂々とそそり立っている。
暫く行くと今度は雪渓の残る谷が見えてきた志合谷のようだ。
谷の手前にトンネルがあり照明必要と書いてある、各々ヘッデンを付け藤沢の男性を先頭に我々夫婦、東京の女性と入った。

小屋を出る時泉さんに足元より右の壁を意識して歩き天井の岩に頭をぶつけないようにと言われたのでその通りに歩いたがかなり長いトンネルだった。
トンネルの途中で離されてしまって出口に出たらもう男性の姿は見えなかった。
ここで先の道が草に覆われて見えなかったので、道を間違えてルンゼ状の岩を登ってしまった、しかし途中あまりにも険しいので家内に下に降りてもう一度見てもらおうとしたらちょうど東京の女性たちがやってきて草の中に登山道を見つけてくれた。
それから少しだけ登り水平道に出たがそこからが長かった。

一度ずっと先に欅平が見えてアナウンスも聞こえたが、暑く辛い歩きだった。
出る時泉さんが「ただただ長い」と言ってたのはこのことだとしみじみ思った。
緩やかな下りが多くなってきたらようやく水平道の終わりのようだ。
鉄塔の下で休憩、水分の補給をしてたら途中で追い越してきた東京の女性二人組と藤沢の男性が先に降りて行った。

やっぱり若さには敵わないなと思って下ってたらなんと途中でまた追い越すことになって結局欅平には我々のほうが先に着いてしまった。
直ぐ後に降りてきた東京の二人と握手をしてお互いを労った。

急いで改札に行ってトロッコの予約をしビールを買って座ってたら藤沢の男性も降りてきたその後はぞろぞろ前日から顔なじみの人たちが下りてくる。名前を聞くこともなかったが皆さん笑顔で挨拶を交わし別れた。
欅平に着いたのが12時10分、5時間50分かかった。
お腹も空いたので駅の蕎麦を外に座って食べたが美味しかった。

12時40何分かのトロッコに乗ってボーっと外見てたら笹平の手前で工事の人がトロッコに向かて手を振っている。よく見たらなんとイナリンではないか、慌てて声をかけたら向こうも驚いた顔をしてた。
そして宇奈月に着いたら改札の手前で携帯が鳴った、誰だろうと思ったらシュンちゃんからだ。
宇奈月にいるから会おうと言う。
欅平でFBに到着の投稿を入れたのを見てわざわざ会いに来てくれたのだ。
シュンちゃんと家内はアイスや焼きそばを食べてたが自分は生、欅平で500缶、宇奈月でまた生を飲んでも水のようでまるで酔いもしない。
帰りは家内の運転で3時過ぎに無事家にたどり着いた。
こうして長く辛くて楽しくて楽しすぎる3日間が終わった。