喜久井町生活その2

その1で物語としたが物語じゃないのでタイトルを変えた。

人生初の自分のアパート

高校時代に一度だけ知人のアパートを借りて1週間の東京生活をしたことが有るが、今度は自分の部屋。

案内してくれた従姉妹が帰った後すぐに近所の散策。

まずは食堂と風呂屋探し。

近くの食堂はすぐ向かいに蕎麦屋、そして大衆食堂と中華屋。どの店も美味しかった。

風呂屋は歩いて10分以内になんと三軒も。

初日はワクワクして中々寝れなかった。

翌日から予備校通いが始まるはずだったが初日教室を覗くと何か子供っぽい学生ばかりで生意気な自分はもう行く気が無くなってしまった。

予備校は早稲田大学のすぐ近く早稲田には高校の同級生が何人もいた。誰かに会わないかと校内を歩いていると何かの集まりが、見ると革マルの集会、何気なく壇上を見ると何と高校の同級生がアジ演説をやってる。

演説を終えた彼に声をかけるとびっくりした顔で飛んできた。どうしたのかと聞くので訳を話すとアパートが近くなら教えてくれと言うので連れて帰ったが、その後何度もやって来る事になる。

革マルの仲間を連れて来る事も、布団が十分ないので3人で分けるがその頃は学生運動の真っ盛りの時、すぐ前の京大闘争の時なんかコンクリートの上に新聞紙を引いて寝た。それに比べれば天国だなんて言ってた。

高校時代から仲の良かった同級生も校内散歩で再開した後は皆んなアパートに授業の後とかにやって来る。

掃除もしないで万年床で寝てると、勝手に入って来て叩き起こし掃除までやっていく奴もいた。

喜久井町生活はそんな感じで始まった。