今日でゴヤⅠ〜Ⅳを読みきった。
少しずつ二ヶ月ほどかかったが
堀田善衛がこの作品を仕上げるのに38年の歳月がかかったと知り驚いた。
ゴヤの作品とその生涯も凄いが
堀田善衛と言う人の底深さに魅力がまた増してきた
作品の内容は簡単には書ききれないので省略するが
これを読んでて
何か小説家らしくない表現が多く、何か素人っぽいなと感じてたが
そうではなかった。
巻末の解説を読んで納得
「いかにも小説的手法これみよがしに文学を実演してみせるような描き方を堀田はついに選ばなかった」
この解説を読んでやたらと文学的表現を駆使していかにも小説に格好をつけようとする最近の売れることばかり考える小説家とは違うなと感じた。
こんな事も
解説は最後こう締めくくっている
「ゴヤの見た内戦の延長線上に、21世紀の国家が有り、戦争が有り、グローバル経済がある。この世界を前にして人間に何ができるか。歴史を指さす『ゴヤ』は絶望の果ての希望を示唆する書でもある」
図書館に行く途中氷見線を見た、堀田も昔ここを歩いただろうな。