涸沢最終日

昨夜のように寒さを感じなかったので夜中には何度も目が覚めることはなかった。
しかし昨夜寝る前もうるさかった近くの二か所のテントから聞こえる関西弁の女性の話声で目が覚める。
時計を見るとまだ2時半。
眠れなくなって迷惑だなと思ってたら
違うテントから男性の声で「うるさい!」の声が
それでも話し声は止まない、今度は「静かにしてください!」と
しかし話に夢中なのか聞こえないようで、ずっと話し声は続いた。
その後は寝たのか起きてたのか分からない状態で5時半までシュラフに入ってた。
寒いので外に出たくなかったが、ヒュッテのトイレに行こうとテントを出ると。
もう下山する団体が出発して行った。
テントに戻りお湯を沸かしてるとこの朝も綺麗なモルゲンロートが現れる。
すぐ横のテントのうるさかった女性たちが出てきたが全くモルゲンロートには気付かず
相変わらず話しっぱなし。
しばらくしてようやく気が付いて「わあ!!きれい!!ねえ!見て見て!!」
その人たちはレンタルテントなのでそのまま下山して行った。
静かになったテントサイトで朝食を食べ、苦労してテントを片付け下山の準備。
下山はパノラマラインを歩くつもり。
パノラマラインの入り口には何人も人がいたが
「パノラマラインはアップダウンも多く危険個所もあるので経験者以外は入らないでください」の看板が。
それを見て中に入るのは自分一人だった。午前7時過ぎ。
他に歩く人はいないのかなと思ったが歩き出すとすぐに前方に人が見えた。
結構スリリングな個所もあるが大丈夫だろうかと思う人もいた。
途中で右に曲がるのを間違えて真っすぐの坂を登ろうとしたが、木の枝とかにつかまらなければ上がれない?おかしいなと思ったがしっかりとした足跡がある。
しかし苦労して登り上げた先に道は無かった。
登山道は下か上か分からず藪をこいて下に向かったがどうも違う
また上に向かったら前方に道らしきものが見えた。
ようやく登山道に戻ったが結構体力を使ってしまった。
谷を越えた真横には北穂が大きく見える後ろを振り返ると涸沢の全景が
屏風のコルに近づくと横尾本谷の向こうに槍ヶ岳が、ここから見る槍は何時見てもかっこいい。

後ろにはこれで見納めの涸沢、「涸沢さらば♪また来る日まで♪」の歌が頭に浮かぶ。

屏風のコルの分岐には休憩してる人や屏風の頭に向かった人のデポしてあるリュックがいっぱいあった。

屏風の頭に行くのはもう登りは嫌だったのでパス。そのまま下る
下り始めると右手に前穂の岩壁がそそり立ってるのが見える

先日行った奥又白池はあの辺りかなと思いながら下る。
途中で休んでる人がいたので登りか下りか聞いたら下りだと言う。
一体何時に涸沢を出たのか聞くと5時ごろと言う。
2時間も前に出た人に追いついてしまった。
さすがに暑くて合羽を脱ぎポカリを飲み小休憩。
奥又白池の入り口の沢では休憩しようと思ってたがなかなかつかない。
そう言えば前に下った時もこんな感じだったと思い出す。
ようやく沢について休憩してると地元だという若い人が下りてきた。
上を向いて池に行ったことがありますかと聞くので
8月に行ったばかりだと言うと、その状況を聞いたので答え
スマホにその時の写真が有ったので見せると、今度ぜひ行ってみますと言った。
それからの下りはその人と一緒にいろんなことを話しながら歩く。
10時ころ新村橋を渡って徳澤で少し休みまた話しながらバスターミナルまで歩き
名前も聞かず「またどこかで会いましょう」と別れた。
そう言えば奥穂で話をした千葉の青年も名前を聞かなかったな。