朝日小屋荷上げ続き

ヘリ輸送は、針の木小屋と餓鬼岳小屋終了の後夕方に燃料と食料を上げれるだけやり
本格的な荷上げは翌日と聞いてた。
それなのに11時頃からヘリの音が聞こえついに目の前をモッコを吊るしたヘリが何度か飛んで行く。
小屋にいるのはヨウスケだけ、先発隊は間に合ったのかと思ったが先発隊の中の3人が急いで向かったらしい。
小屋について10分もしないうちにヘリがやってきたそうだ。
その後、後続隊が到着、我々は昼の休憩をしたりしてたらヘリがまるで催促をするかのように頭上を飛んで行く。
それでもゆっくり行けばいいと思ってたら夕日ヶ原の途中でイナリンが二人で先に行かないかと言う、えっつと思ったが仕方ない。
体調の悪いはっぱ隊長と女性軍を後にして急いだ。
しかしザトペックイナリン(同い年)にはついていけるわけがない、みるみる離された。姿が見えなくなったらもうお終い。後は自分のペースでゆっくり追いかけた。
バンザイの丘に着いて朝日小屋が見える。
この場所が朝日平で一番好きな場所。

小屋前では先発隊に混ざってイナリンも仕事に入っている。
近づくと向こうから声がかかり、哲也がキンキンに冷えたビルーを持ってきてくれた。
ザックを小屋の前に下ろしビールを喉に流しこみ早速仕事に参加。

ヘリが何度もやってくる、米やらビールらやドラム缶やガスボンベ重いものばかりでヘトヘトそうこうするうちに下の責任者のシュンちゃんから赤色のドラム缶が上がったら本日終了の連絡が入る。全員ホットしたのもつかの間天気がいいのであと5便追加と言ってくる。
ふと見ると小屋の屋根にKB隊の哲也が登攀道具を持ちだしてアンテナの設置をやってた。

もう最後は惰性で物を運ぶ、これで最後の便と思ってパイロットに手を振ったらなんともう1便の連絡。
小屋の中からはもう晩御飯の合図が有ったので最後の荷物はモッコをかけたまま下ろすだけにした。
小屋のそばにはウルップソウが咲いていた。


雪倉岳や、白馬岳、旭日も見えた。

それから中に入って着替え、食堂に行ってご苦労さんの宴会が始まった。
右手前は今シーズンバイトに入ったおなじみ浜ちゃん


女性軍も運ばれた荷物の整理で疲れてる中沢山の料理を作ってくれた。
途中で収穫してきたススタケやアマンボなどの山菜も。

食堂での宴会も終わりそのあとは部屋での2次会が始まる。
2次会の途中でスズちゃんのヨガ教室が始まり今日の疲れを取るためのプログラムをこなす。これがまた痛かったが終わった後はまた飲めるくらいすっきり(笑)

そしてここでサプライズが、ユキちゃんがどうやって持ってきたのか手作りのレアチーズケーキを出す。なんと本日誕生日のノゾミールのお祝いのケーキだった。

消灯の後もヘッデンをつけての飲み会は続いた。
それでも翌朝は二日酔いもなく目覚めたが、雨の音がする。
あと人送のヘリが来る予定だがこの天気では無理かと布団の中にいると突然ヘリの音が、全員飛び起きて外に。
最初の2便で作業者の6人が到着。
最後天気がぎりぎりのところで社長の便が到着。
予定のヘリ輸送は奇跡的に全て無事終了した。
朝食を朝到着した人たちと食べ、下山の予定を10時出発と決める。
それまで小屋の外仕事や小屋の中の布団の準備などを出来るだけやって下山に。
下山は雨の中カッパを着てるので暑く結構疲れた。
北又小屋に着き一休みして車の場所までまた歩き。
下山の後は何時もは小川温泉で汗を流すのだが時間も遅く今回はそのまま帰った。
ノゾミールを家まで送ると家の前には刺激ちゃんを始め家族全員が揃ってた。
帰りに収穫したてのじゃがいもやズッキーニを頂き家に帰った。


こうして荷上げは全て順調に終わって、今シーズンの朝日小屋の営業が始まった。
社長曰く「ここ数年荷上げに運を使い果たしてその後が良くない」と苦笑してたが
今年は営業もうまくいくよう祈りたい。
高山植物が咲き乱れる静かな北アルプ最北の山小屋です。
皆さん是非お出かけください。