大熊山アドベンチャー(長編です(~_~;))

アドベンチャーなどと今は言ってられるが
本当は報告するのも恥ずかしいルート間違えの結果です。
一つだけ良かったことは、雪渓を下りるのを嫌がって
家内が一人で登りの道を戻ったことです。
他の登山者が沢山いたのでルートを間違えることもないし安全と思ったのですが
コルのところを通り越して早乙女岳側にだいぶ行きすぎて
他の登山者にその後は教えてもらいながら下山したらしい・・

自分の方はコット谷に下りる雪渓を一歩間違えて入ってしまった
家内と別れる時にもう一度地図を確認すればよかったのに
ここで間違いないと頭から思いこんでしまった・・

下り始める前にこの足跡が・・
なんの足跡でしょうか?誰か教えてください

この斜面を下った。

かなり急斜面を下ったのに一向にコット谷が見えない
ここでおかしいと思ってGPSと地図で確認すると
嫌な予感が当たった。
それでもまっすぐ下りれば小又川の入り口より少し下流の道路に出る
一番心配なのは途中で滝が出たらどうしようと思った
それでも雪渓の上をただ下りれるだけならここも大熊山のルートになるな、ソンナアマイコトハナイノデハ・・
何かまずいことがと不安になってきたがそのまま雪崩でめちゃくちゃになった谷を下った
ついに水の音がやはり滝が現れた滝の横を下りれるかと木にブラさりながら
降りたが途中で木も無くなってしまい、仕方なく登り返して高巻きをして何とか下に出た。
写真では左側下りれそうですが上から見るとちょっと滑るだけで写真には見えない滝坪が見えた。

ホッとして進んだら今度はもっと大きな滝が、ここも滝の左右探したが降りれそうにもない
横の壁の様な所を草や小枝とピッケルでトラバースしてようやく隣の雪渓に降りて
滝を下から見上げると40m以上あった。

ここでもう道路に出れると思ったが甘かった。
また滝が現れる、ここで本当に困った。
やはり途中まで木にぶら下がって下りてやはりだめ
また元に戻ってルートを探すしかないが、体力が・・
木にぶら下がりながら反対側の尾根を見るが完全な藪、その先が見えない・・
それでも何とか元に戻りそこでもう一度地図を見る
滝の両側は下りれそうにない垂直壁、やはり登り返して尾根を越え小曽谷に出るしかない
体力を取り戻すために少し休んで水分を取り尾根の藪に入った
藪はひどいがさっきまでの手がかりも無い垂直斜面より余程楽
このまま上に登って尾根を越そうと思った時に下に雪渓が見えた
途中は急斜面だが手がかりになる小枝が続いてた。
どうしようかと思ったけどそこからは尻をついてアイゼンを効かせながら慎重に下りた。
ここでようやく下が見えた。
ところが今度は堰堤が、堰堤の脇を両側見たけど下りれそうにない
また、木の枝にブラさりながら二つの堰堤を過ぎたら林道が見えた。
ホッとしながら林道を歩いたが家内の事が心配になってきた。
随分待ってるだろうな、下手して捜索願なんか出してないだろうな(まだ午後3時半頃)
などと心配しながら小又川の駐車場に戻ったら、家内がいない。
えっ!ひょっとしてコット谷で自分を待っているのかと思って、車に重い荷物は置いて
また、朝登った雪渓を登り始めた。
しかしやはり体力が・・辛かった。
そうしたら上から下りてきたスキーヤーが朝コット谷のコルで会った若者だった。
上で女の登山者を見なかったかと聞いたら、奥さんですよねと言われ
聞いたら自分より前を歩いてると言うので、何度も確かめたけど
間違いなく自分より下です、上にはいらっしゃいません。と言われて
林道を迂回してるのかと思ったら、若者が見つけてくれてもう下に見えますよ・・
良かった、でもめちゃくちゃ怒ってるだろうなと思って
いきなり謝ったらポカ〜ンとした顔で、自分のほうが怒られるかと思ってたようだ。
全く違ったルートを下りたけど、家内が一緒だったらと思うとぞっとする。
きっとこんなこと言ったら誰にでも叱られると思うが
これからは途中で別々になることは絶対に止めようと思った。
でも変な話、結果は別れて良かった・・
本当は家内と一緒に戻るべきだったのだけど、なぜか行きたかった・・
最後の滝を見た時は本当に困ったけど
一番怖かったのは車に戻って鍵も開けれない家内がどうしてるだろうか
それより上で自分を待ってたらどうしようと思ったこと。
結局10分くらいの違いで両方戻ってきたのはラッキーとしか言いようがない。
このことは、絶対に戒めにしようと思った。
ただあのルート、下りてしまえばもうどうやってルートを取ればいいのか分かるので
ザイルとか有ればそんなにたいしたことないと思う。
どなたか一緒に行きたい人が有ればまた行ってもいいと思う、
この懲りない困ったおやじだ・・
口直しに
コット谷を上から見直した写真と。剱岳



早月尾根にはこの日遭難死された方の捜索ヘリがずっと見えていた。
合掌