40年ぶりくらいに井上靖を読んだ。
この前、徳沢園に寄ったとき、さすが「氷壁の宿」「氷壁」の文庫本が売られてた。
先週古本屋さんで見るとほとんど新品のものが320円で売ってたの買ってきた。
面白かったので2日間で全部読みきった。
ただ、途中までなにか井上靖の小説を読んでる気がしなかった、
まるで新田次郎と展開が同じように感じた。
高校時代に井上靖は何冊も読んだ、文学的にはかなりレベルが高いと思っていたが、読んだのは全て歴史小説、
山を題材にするとやはり似たような展開になってしまうようだ。
ただ奇妙に感じるのは、山の事故で新聞があれだけしつこく、一事故を追っかけるだろうかと思ったこと。昭和30年代はいろんな山の初登頂がなされた時代。やはり山の事はニュース性があったのだろうか。これは新田次郎の作品を読んでて何時も感じてた事だが、
「氷壁」では途中から新聞社も相手にしなくなった。ここは新田次郎と少し違うかなと思った。
最後に主人公の魚津が滝谷を登って落石を受けて死ぬ場面、
先日北穂に登った時遠くで凄い落石の音がしたのを思い出した、大きな岩が何度もゴーンゴーンと音を立てていた
しかし、涸沢岳方面だと思うが涸沢に向かっては何も見えなかった。あんな大きな音だから何か煙とか見えると思うのだが、もしかしたら裏側の滝谷だったのかもしれない。
滝谷出会いには新穂高から何度か通ったことがある、そこには滝谷の初登頂をした藤木九三さんのレリーフがある。藤木九三さんと同日に登頂した早稲田パーティ、その後多くのパーティが滝谷を登ったが、今はほとんど登る人がいないらしい。
「鳥も通わぬ滝谷」と言われてるが、今は冒険の時代ではないのかもしれない。
いつか雄滝の下まで行けるだけ行って見ようかな、何か感じれるかもしれない。
- 作者: 井上靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1963/11/07
- メディア: 文庫
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